音楽と言葉とまぶたの裏の世界 

Karin's Wonderlandのブログ

雨のリズム、鼓動のテンポ

10月1日火曜日

 

かかりつけのクリニックを出ると、外は雨が降っていました。

交差点が一瞬光ったような気がして、嫌な予感がしたけれどやっぱり雷でした。

 


心電図をとった帰り道、レインコートをかぶり、雷に怯えながら急いで自転車を走らせました。

早速心臓に悪いことはよしてくれ、と縮こまりながら、ガンバレガンバレと呪文を唱えました。

スーパーに寄りたかったのに、さっさと帰りたくて寄りませんでした。

家にはほとんど野菜しかなかったはず。

あーあ、と思いましたけど。

雷ってこんなに怖かったのでしたっけ。

 


お医者さんに行くと、やはり脈については心配いらないんじゃないか、と予想通りの返答がありました。

だって、普通に生活していますからね。

こういう場合、担当の看護師さんなどがやけに深刻そうに伝えるのです。

心配そうに言われると、おなじように心配になりました。

そして健康診断の結果も要精密検査だし、やはり脈が少ないことは少ないし、念のためというのが検査の始まりです。

具合の悪いことのすべてが、痛みや不快さのシグナルを送ってくれるわけではありません。

そういうこともよくあるから。


私の脈はやっぱりとても少ないものでした。

もしスポーツの経験があるならスポーツ心臓とも考えられますが、私は精神障害で引きこもりだったので、そんな経験はありません。

ただ少ないけれど、嬉しいことに不整脈ではなかった。

ただただとても遅いだけ。

自分の心電図を見ながら、笑ってしまいそうに、これは愉快だと私は思いました。

私の心臓は、私の人生の歩調を主張しているかのようでした。

だからあんたはゆっくりなんだってば!

と彼女は言っているのかもしれない。

そして、ゆっくりであっても問題ないんだぜ(ウインク)、とも。

(歳をとるにつれゆっくりになる脈が、普通よりも遅くなるのが早い、ということではあるようですが。)

よくわからないけれど、鼓動に励まされました。

 


家に帰るとまたささやかな夕飯を作りました。

人参のお漬物と、ネギと納豆のお味噌汁と、ご飯に天かすと刻んだネギと七味と適量のめんつゆをふりかけて。

牛乳にプロテインを溶かして。

 


雷には遠くへ行ってほしいけれど、雨の音はやっぱり心地がいい。

毎日、少しずつ、気がついたら頑張らなくちゃ、という意識を外してゆく。

肩が持ち上がっていたら脱力する。

私の場合、意気込んだ意識は一筋縄には行かなくて、身体に緊張をもたらして、神経に影響を及ぼすようだから。

ちいさなことで気が張り詰める。

たくさんのことに気がつき、頭の中にみっしりとたくさんの予測が巡っている。

身の危険について常に考えている。

すべて子供の頃から。

 

マダムゆりこの旦那さんは、ゆりこさんのことを“神経が個性的なんだ”、と言いました。

私もそうなのかもしれない。

意気込んでいるだけではそんなに頑張れないから、意気込まなくてもやってゆける身体に、少しずつシフトしてゆく。

 

※マダムゆりこ…漫画『ルナティック雑技団』に出てくる天湖森夜の母